Night Large Snake

犬の京と猫の九条さんはもう外に行ったみたいで玄関の外から、京のケラケラ笑う声が聞こえる。

私は海の手を引っ張ったまま、外に出ようとした。

けれど、逆に引っ張り返されて体が仰け反る。

「なっ。」

何?と聞く前に、傍に海の顔があった。

「…ん……っ。」

久しぶりのキスに、喜びか苦しみか。

どっちも襲って来た。

散々意識が飛びそうになって、離される。

そして、玄関の外に出れば嫌そうな顔をしながらも少し積もった雪を京にかけている九条さんがいた。

「冷てっ。服ん中に入った!」

「…。」

「待てよ、おい都!」

終始無言で。



< 360 / 525 >

この作品をシェア

pagetop