Night Large Snake

海はその言葉を無視して歩き出した。

奥の部屋には、誰もいなくて、チカチカするような紅いソファーとテーブルが並んでいる。

扉を閉めるとBGMが遮断されて静かになった。

「座れ。」

紅いソファーに座らされ海はその正面の低いテーブルに腰掛ける。

「…何?」

そして海は、

「手首、見せろ。」

とてつもなく不快な事を言ってきた。

それも怖い顔で。

見せなくば犯すぞ、というオーラで。

でも、私は手首を後ろに引っ込めた。

どんな近くにいる人にもしない。

中学の時の友達は、知ってるけどあれは見せたんじゃなくて見られた。

…例え、親でも知らないのに。





< 70 / 525 >

この作品をシェア

pagetop