続!イジワル王子とお姫様
「あら、おバカさん。自分の買い忘れたの?」


蝶野さんが、私に近寄ってきて、私にしか聞こえないような小さな声で話しかけてくる。


うぅっ、本気イヤなんですけど……このひと。


「私はいらないです。喉、乾いてないし……」


そう言えば、自分のドリンク買うの忘れてた。


みんなの分を取りこぼさないようにって、そればっかりに気を取られてて。


「さてと。ナツキも来たし、もっ回合わせよーぜ」


男の子たちが楽器を手に持ち始める。


そしたらナツキくんが音楽室の真ん中で、私に向かって大きく手を振っていた。


……ん?


「桃香、コレ持ってて」


そう言って、今飲んだばっかりのペットボトルを私に放り投げてくる。


ウマく手元へと投げられ、キャッチ!


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