続!イジワル王子とお姫様
「なんで大声であんなアホなコト叫んでんの?」


「そっ……それは、弾いてる時のいい表情を見たかったから……」


「オレの顔なんて、いー加減見飽きたろ?」


「ううん……飽きるわけ、ナイよ。って、ちょっとぉ……みんな、見てるよ?」


音楽は中断。


ステージ上や、観客席からヤジが飛んできている。


手すりを背にする私に、迫ってくるナツキくん。


グイグイ押され、もう逃げ場なんてナイ。


「なぁ、オレの一番いい表情って、どんなカオ?」


「なっ……なに言ってるのぉ? ひとが見てる、見てるってばぁ!」


「るせっ。オレが一番好きな桃香の表情はぁ……この瞬間のカオ」


って言って、


ナツキくんは私に


唇を押しつけてきた。






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