手を繋いで…
愛して 愛して 愛した
あの人が 死んだやなんて

この目で確かめるまで
うちは 信じひん


どんなに辛いめに
あわされてても


どんなに切ない恋やっても

うちが 生きていけるんはあの人がいてたから…

一度 命投げ捨てたうちや…

あの人が 先に 逝ってしもうたやなんて


嘘や…


突然 何いうてくんねん

突然 また 姿消しよったんか?


うち どんな顔して
行ったらえんやろ?

挙動不審な美奈子になっていた。



いつも 突然やから…

あの人との出会いも
あの人との行動も
いつも 突然やったから…

嘘やでッて


玄関先で 迎えてよ


電車に揺られながら
美奈子は いろんなことを考えたような気がする。



あの人の家に着いたら
いつも よっ て ニコニコして迎えてくれるあの人の姿はなかった


母ちゃんが 憔悴しきって泣きはらした顔で
美奈子を迎え入れたんや
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