夢〜明日への奇跡〜(実話)
先生の部屋に入ると
沢山の資料などがあった。あれは…
本棚の所に目をやると
【頑張るリハビリ
楽しいリハビリ】

和実の努力の本が並んでいた。

あんなに頑張ってきたんだもん…

また仕事頑張って私や夢花を養わなきゃいかんって言ってたもんね。

私は涙が止まらなかった。

ようやく先生が入ってきて私達に挨拶をした。
あの時窓際で見たロングヘアの女の人だった。
本当に先生だったんだ…
和実の彼女だと勘違いしていたなんて…
笑えるよね…。
和実ごめんね。

『あなた妊娠してるけど今から話す事大丈夫かな?』
先生は和実のカルテを見ながら深刻そうに言った。

『大丈夫です。本当の事知りたいんです』

『分かりました…。まず今日の手術は成功しました。胃を三分の二切除し腫瘍を取り除いたんですが…
かなり腫瘍が広がっいました。私もこんなに広がっているとは思っていませんでした。初めて検査してから時間がだいぶ経ってしまったので…』

『和実はもう無理なんですか?』

和実のお母さんが先生に
泣きながらすがった。
私は言葉すら出てこなかった。


『和実さんの体がどれだけ頑張れるかです。治療は勿論続けますが痛みなどが日に日に増すと思われます。残酷かも知れませんが頑張っても後…二ヶ月でしょう』

『嘘よ…!和実があと二ヶ月なんて…絶対有り得ない夢花も抱けないまま死んじゃうなんて…先生お願いします。嘘は言わないで下さい…』

私は床に膝まついた…

『麗奈…立ちなさい。みんな同じ気持ちなのよ。一生懸命頑張った和実君に悪いでしょ…あなたは夢花のお母さんでしょ?しっかりしなさい』

お母さんが優しく抱きしめてくれた。

和実…私に何が出来るの?教えてよ…

どうして神様は
私の愛する人を
奪っちゃうの…

大好きなじーちゃんに
和実までも…

私はなかなか現実を受け入れずにいた。
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