初恋をもう一度。
遊園地


―土曜日 12:40


もうすぐ4月も終わる。

唯と再会してから約2週間が経った。

この短期間に、2人で遊園地に来るという展開はさすがに考えていなかったが、恭平は恋人時代に戻ったようで嬉しかった。


9:00に地元の駅で待ち合わせた。電車の中での唯は、この間までと然程変わった様子はない。

強いて言えば、電話口で言っていたように、やはり少し疲れているようだった。



「これ、すげえ美味いっ」


昼食は売店で適当に、と考えていた恭平だったが、実はね、と言いながら唯は大きめのピンクのバッグから弁当を出して見せたのだった。

園内のベンチに座ると、大きな観覧車が目につく。


弁当の中身は唯の手作りで、恭平の好物の玉子焼きやウインナーが入っていた。


ちゃんと食べなきゃダメだよ、と言われたレタスも―。

「玉子焼き、少し甘くて美味い」

「ほんと??よかったぁ」


いつもより少し強い陽射しが、半袖の白いワンピースから覗く彼女の肌に溶け入るようだ。

胸元にあしらわれた、大きめのフリルリボンが華奢な体つきによく似合う。
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