初恋をもう一度。

「…どうしたの??暗い顔して」

「実は…俺ら、前に付き合ってたんだよ」

「…そう…なんだ…」

「ああ。…でも、別れた」

唯は黙ったまま、恭平を見つめている。


「俺は…唯の記憶が無くなったのは俺のせいだと思ってる」

「…どうしてそう思うの??」

「それは…」


―恭平は1年ほど前のある冬の夜、なかなか会えない寂しさや不安に耐えかねて、唯の家の近くまで行った。

連絡すると唯も家から出てきた。23時過ぎだったろうか。


唯はその頃、少し遠い高校に通い、サッカー部のマネージャーをしていた。

恭平はそれが気に入らなかった。

―俺と仲良くなったから気分でマネージャーになっただけのくせに、何でわざわざ他の高校でもやるんだよ―。

そう言った。口に出してからも、思いは止まらなかった。

―お前、特別サッカー好きって訳じゃないだろ??それならもう止めろよ。

それとも…そっちに好きなやつでもできたか??……はっ、青春半分なノリならやめろよ。

ちやほやされたいだけだろ、そんなの―

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