レンズ越しの君へ
「勘」


さっきの話を振ると、廉はやっぱり一言で答えた。


「鋭いんだ!」


あたしは敬語をやめて、タメ口で明るく言った。


「嘘……」


「えっ!?」


廉の言葉の意味がわからずに、小首を傾げる。


「首筋見ただけ。まぁ、半分は本当に勘だけど……」


「あぁ!お前、相変わらずすごい観察力だな!」


「首筋……?」


「女の年齢は首筋に出る。お前は、メイクのわりには首筋が綺麗だからな」


「へぇ……」


廉の言葉に、何だかあたしまで感心してしまった。


確かにあたしは、メイクも髪も少しだけ派手にしている。


“Princessのユイ”のコンセプトは、“ゴージャス系のお姫様”だから。


実際、この顔のお陰で『お姫様にピッタリ』だと、よく言われていた。


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