レンズ越しの君へ
翌朝は逸(ハヤ)る気持ちを抑えられなくて、早くに目が覚めた。


廉はまだ眠っている。


携帯を開くと、綾からメールが届いていた。





《おはよう。
今日の写真展、行くね!
ありがとう。
場所はわかるから、
現地に直接行きます。》





綾に『了解』とだけ返信をした後、朝食の支度を始めた。


廉が起きて来たら、美味しいご飯を食べさせてあげたいな♪


写真展に行ける事が嬉しくて、そんな事ばかり考えては笑みが零れる。


だけど…


「ユイ……」


不意に廉に呼ばれて、喜びを打ち消すように胸の奥がズキッと痛んだ。


それでも、あたしは精一杯の笑顔で振り返った。


「おはよ、廉!ご飯出来てるよ♪」


「あぁ……」


あたし達はテーブルに着いて、久しぶりに一緒に朝食を食べ始めた。


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