レンズ越しの君へ
「ねぇ、今日の受賞者ってもう決まってるの?」


朝食を食べながら、写真展の事を訊いてみた。


「あぁ……。今日来るカメラマンは、受賞者ばっかりだ。今日が写真展の最終日だから、審査は昨日のうちに終わってる」


コーヒーを飲んだ廉が、タバコに火を点けた。


「じゃあ、廉も賞が貰えるんだ!すごいね♪」


「……まだ何の賞が貰えるのかわかんねぇし」


目を輝かせるあたしに反して、廉はぶっきらぼうに答えてから時計に視線を遣った。


「もう行くの……?」


「……その前にお前の服だな」


「服……?」


「あぁ。見立ててやるから、片付けたら準備しろ」


「うんっ♪」


あたしは笑顔で返事をして、急いで片付けを済ませた。


支度には自然と気合いが入って、いつもよりも念入りにメイクをして髪を整えた。


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