レンズ越しの君へ
店を辞めてから数日後、綾の家に遊びに行く事になった。


「いらっしゃい♪」


「久しぶり♪」


笑顔で迎えてくれた綾に、あたしも笑みを向けた。


あれだけ毎日会っていたからなのか、まだ2週間振りくらいなのに何だかすごく懐かしい気がしてしまう。


「廉さんとはどう?」


あたしが持って来たケーキを食べながら、不意に綾が訊いた。


「うん、順調♪廉はずっとご機嫌だし、あたしも廉の仕事を手伝ってるから、すごく楽しいよ♪」


「えっ!?廉さんの事務所で働いてるの?」


「うん♪アシスタントが休みの時に、廉に付いて行ったのがキッカケなんだけど……」


あたしはケーキを飲み込んでから、そう切り出した。


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