レンズ越しの君へ
大切な仕事がある朝、廉はアシスタントから体調が悪くて休みたいと、突然連絡を受けた。


人手が足りなくて困っていた時期だったから、彼はあたしに手伝って欲しいと言った。


「無理だよ!カメラの事なんて何もわからないし、経験もないもん!」


足手纏いになる事が嫌で、頑なに断っていたけど…


「大丈夫だって!お前は、俺の言う通りにしてくれたらイイだけだから!頼むよ、澪……」


珍しく少しだけ弱気な廉を見たあたしは、不安を抱きながらも頷いた。


アシスタントの代わりを務めるのは大変で、最初は戸惑っていたけど…


次第に、廉と仕事が出来る事が楽しくなった。


そして今では、彼の事務所で電話応対等の事務仕事をしている。


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