レンズ越しの君へ
その夜は、中々寝付けなかった。


あたしは隣で眠る廉を見つめながら、ボーッとしていた。


最初からこんな状態で、これからどうなるんだろう……


さっきから考えているのは、そんな事ばかり…。


「ねぇ、廉……」


心の中の不安が消えなくて、涙が込み上げて来る。


「これから、どうなるのかな……」


眠っている廉に問い掛けながら、彼の髪にそっと触れた。


何があっても、あたしを一人にしないでね……


今度は心の中で呟いて、瞼をそっと閉じた。


もう寝なくちゃ……


明日は、廉と一緒に行動するんだから……


だけど…


結局はすぐに眠れなくて、朝方になってやっと夢の中へと落ちた。


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