レンズ越しの君へ
数日後、一輝の写真が出来上がった。


「綺麗……」


思わず呟いて見入っていると、廉があたしから写真を取り上げた。


「何が綺麗だって?」


「写真だけど……」


不服そうな廉に、あたしは笑顔で答えた。


「写真じゃなくて、こいつの事なんじゃねぇのか?」


廉は、涼しい表情をしているけど…。


もしかして、ヤキモチ……?


この間の事、まだ根に持ってるのかな……?


付き合う前は廉の事をクールで淡白だと思っていたけど、実際は全然違う。


クールなのかと思ったらすごく嫉妬深いし、淡白かと思ったら甘い演出をしてくれる。


あたしは、そんな廉の事が大好き。


だけど…


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