レンズ越しの君へ
いつも通りに仕事を終えた後、廉に声を掛けた。


「廉、買い物して帰ろ♪」


「俺は用事があるから、お前は先に帰ってろ」


「えっ?」


また……?


最近、こんな事も頻繁にある。


「じゃあ、あたしも一緒に行く!」


「ダメだ!」


廉を見上げると、彼がすかさず首を横に振った。


「でも……」


「用事が済んだら、すぐに帰るから」


膨れっ面をしたあたしに、廉は宥めるように言った。


「な?」


「わかった……」


納得出来ないまま諦めたあたしは、仕方なく一人で帰る事にした。


ねぇ、廉……


何を隠してるの……?


あたし、不安なんだよ……


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