レンズ越しの君へ
結婚式の日取りがとんとん拍子に決まっていき、毎日が慌ただしかった。


招待客のリストを作って、ブーケやドレスを選び、料理や式の内容を決める。


そんな中、この間撮った一輝の写真が雑誌に掲載された事で、廉への依頼が急激に増えた。


それも人物に限らず、風景の依頼もたくさんあった。


廉は相変わらず人物を撮る事は断っていたけど、風景の場合は依頼を受ける事もあった。


プロのカメラマンとしては、すごくありがたい話だけど…


結婚式を控えた廉としては、今まで以上に毎日が忙しくなって大変だった。


そのせいで、彼とは結婚式の事を話し合ったりはするものの、ゆっくりと相談出来る時間は限られていて…


結局、遠藤さんから説明を聞いたり最終的に話を進めたりするは、あたし一人だった。


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