同じ空の下で
あれから魔法使いはチャイムがなるまで廊下に立たされていた。



でも、すごいと思う。



私が注意してほしいって思ったらすぐ注意されていた。



やっぱり、アイツは魔法使いだ。




「あ゛ぁ〜〜っ!!寒かったぁっ!」



今は休み時間で魔法使いもやっと、教室に戻れた。



季節はもうすぐ春のはずなのに、まだ肌寒くセーター一枚だけだと、真冬のように感じられた。




だけど、その寒ささえもあの幸せの時がもう過去の事だと私に感じさせる。





「ねぇ、津月さんってドコの学校に通ってたの?」


声をかけてきたのは、私の斜め前の席の神崎 里奈(カンザキ リナ)ちゃん。



茶色に染めた髪は、綺麗なボブにカットされていて。

まぁ、癒し系のかわいい子。



「赤葎高校。」


「えぇっ?!赤高っ?!」

前の学校、知ってたんだ…。


「あそこ、結構頭良いよねっ!!」


「……そうかな?」


「そうだよぉ!なんで、ウチの学校に来たのぉ??」


来た。


絶対、聞かれると思った、この質問…。



「……、お兄ちゃんと住むって言うのも良いなって思って。」



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