Love story's
不意に耳に届いたのは、柔らかいけど焦ったような声――。


「あっ!凪君、まだ揺すっちゃダメだよ!」


「熱っ!」


「あ〜っ!!ほら、早く冷やして!」


希咲の母親は手早く水を出して、慌てた表情で俺の手を掴んで持って行った。


「火傷しちゃったかな?」


不安そうにする希咲の母親に、ニッと笑う。


「平気だよ、これくらい!それより続き教えて!」


「本当に大丈夫?」


「うん、別に痛くもないし!だから早く教えて!」


笑顔を見せた俺に、希咲の母親は微笑みながら頷いた。


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