※ご主人様は完璧王子?※
『う、薄汚い……?』
思わず耳を疑う。
そりゃさっきまで笑顔で接せられてきた人にいきなり“薄汚い”と言われれば誰だって耳を疑いたくなるだろう。
“薄汚い”と言われ、ポカーンとしているあたしにお人形さんは次々とひどい言葉を浴びせた。
「昨日ちょっと調べさせていただいたのですが、あなた本当につまらない人間ですね。
自分の立場わきまえてますの?
ただの庶民で、頭もあまりよくはなく、顔もまぁ中の上程度。
そんなあなたがあの龍ヶ峰樣に仕えることができているだけでとてもありがたいことなのに……
この私でさえ断られた食事を一緒にして……
しかもあの口のきき方はなってないんじゃありません?」
冷たい視線があたしをつらぬく。
あたしの目からいつのまにか一筋の涙が流れた。
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