※ご主人様は完璧王子?※



薄汚いと言われたことへの悔しさではないのに………


なぜだか涙がこぼれだす。

涙は頬を伝い、顎から床へと落ちる。

そして床のカーペットにたどりつき、丸いあとをのこした。






……………あぁ……やっと気付いた、この涙の意味。




あたしと龍ヶ峰の住んでる環境がどれだけ違うかを見せつけられて悲しいんだ。

あたしと龍ヶ峰がどれだけ不釣り合いかを見せつけられて哀しいんだ。


君とあたしの生きる道が違いすぎてかなしいんだ。



ただ涙をぽろぽろとこぼすあたしをお人形さんは満足そうに見て頷くとコンピュータールームの扉を開きにやっと笑った。

まるで悪役の微笑みのように恐ろしい笑みだった。






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