ひとひらの願い―幕末動乱―
第5章 碧空に告白
ここに、私の居場所はない。

だから私は、縁側で空を見上げる。


広くて碧くて、限りのない碧空を――…


「はぁ……」


溜め息をつく。

…何も変わらないのが苦痛だなぁ。何だか…

過去に来てからというもの、溜め息をつくことは少なくなった気がする。


前――現代にいたころは、友達も結構いたし、学校では明るく過ごせていた。

でも裏では、かなり落ち込みが激しかったりして、自分を追いつめていたんだ。


自分がいなくなればいいとさえ。


「随分と落ち込んでるようやなぁ」

「ぎゃッ!!」


どこからともなく、また山崎さんが現れた。

当然、私はびっくりする。


「何でいっつも山崎さんは忍び込むんですか!? しかもどこでもって…」

「それが忍びやし。文句言われても、しゃあないわ」


きっぱりと言われて、私は返す言葉がなくなった。

何しろ、山崎さんの言葉はどれも鋭くて、突き刺さってくるし-…

それに、答えが合ってるから、余計に言い返せない。


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