悠久の貴女へ
積もる雪に
雪が降る寒空の中、ようやく私は外に出ることができた。

ちゃんと、土方さんや山崎さんに許可を得て。


もう年が明けて、早2ヶ月。


またあの場所へ、でかけようとしていた。



近々、近藤さんや土方さんから聞くには、屯所の移転が考えられているらしい。

移転先は、西本願寺。

今の屯所のある壬生村からは、少し離れている。


そうしたら、私はあまりこの地に来られなくなる。

だからそれを考えて、夏に行ったきりの光縁寺に行くことにしたんだ。



「はぁっ……寒いなぁ…」



吐く息が白い。

もうそろそろ春になるというのに。


前を見れば、雪の積もった道が続いている。

でも、もうすぐそこだ。

何ヶ月ぶりか分からない、というよりも、そんなことを考えるだけで頭が疲れる。


とにかく、久しぶりなんだ。

嬉しいような、どこか悲しいような、そんな気持ちで山門をくぐった。



「織さん……お久しぶりです」



すぐ行ったのは、もちろん、織さんのお墓。

また綺麗な花が、供えられていた。



「また先越されましたか……」


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