ゴーストオブアイデンティティー
「答えてくれないんですね…」


「いや…答えられないんだ」



「……悲しいですね。私なら、すぐにでも言えるのに。『全てです』って」


悲しいという割には、悲壮感が全く感じられない。

「じゃあ、これだけは答えて下さい。私は、『被験体NO.84』ですか?それとも、『ヤヨ』ですか?」


「……………ヤヨ、だ」


すんなりと、これだけは答えられた。

良かった、と、彼女は、『ヤヨ』は少し笑った。


「もしヤナセが84だって言ったら、私は此所にいられなかったです。檻の中…そう、檻の」

「ヤヨ…私は」


ヤヨは怒った風に腰に手をあてた。

「まったく…ヤナセは自信が無さすぎですよ?何が不安なんですか?まさか引け目ではないですよね?私に対する」

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