狼と赤ずきん。
「でも、荒月は前より性格が良くなったと思うよ。」
流本が後から慰めた。
真実を知っているような優しい声だった。
そして、なぜかこんな話をした。
私はその優しい声に耳を傾けた。
「1年の頃は暴言を簡単に言って、
すぐに暴力をふって停学にされて、
俺たちもいつ暴力振るわれるか怖かったよ。
だけど、2年になってから性格を直したみたい。
なぜかは知らないけど。
何かが荒月を変えたみたい。
それで、荒月は暴言をあまり言わないようにして、
暴力もすぐにふらなくなったんだよ。
凄いよね。
だから、俺は荒月は怖くないと思う。
他の不良とは違って、荒月は何かが違うんだよ。
よく解かんないけど。
俺は荒月が凄い奴と思う。」