Strawberry & Chocolate
「まぁまぁ。そんなわけだから中村くん。君に折り入って頼みがあるんだ」
「俺がリナを説得してくれって言うんだろ?けど、俺は…」
「それもあるけど。君もだよ中村くん」
「俺も?」
「偶然すぎるとは思わないのかい?
君たちの出逢いが。
君たちは時間は違えど、同じ公園、同じ場所で、同じように記憶を無くしていた。これは単なる偶然なのか?」
それは…!!
俺だって…。
いや、リナだって思ってるはずだけど…っ。
「そんなに君たちは自分を知るのが怖いのか?自分を知れば今までの関係全てが壊れてしまうと思っているのか?」
「違うっ!そんなことは…!!」
「だったら君たちのやるべきことは一つだ。
君たちの記憶には何かがある。
中村さんがイーヴルと戦う為にも、今、君たちは自分自身と向き合わなくてはいけないんじゃないか?」
…先生の言う通り。
俺たちの記憶が戻ったからって今までの関係が壊れるわけじゃない。
きっと、俺もリナも恐れてるのは同じ。
記憶が戻ったら、俺は…〝ソラ〟じゃいられなくなるんじゃないかって…そう思ってしまうんだ。
だけど、もうそうも言ってられない。
戦う為…街を守る為…。
逃げ続けてきた問題に立ち向かう時がきたのかもしれない。