Strawberry & Chocolate
No.33 催眠療法~柳人side

あーマジで最悪だ…。




昨日、いきなり代表委員会とやらに任命された俺。




冗談じゃねぇ。



こちとらバイトしねーと家が火の車なんだぜ?



あの甘党化学教師め、勝手なことばっかしやがって。




ただでさえイーヴル退治のせいで前のバイトクビになったばっかだし。




母親は隼人の面倒しか見ねぇしな。



たまに帰ってきても俺に渡す金なんざ1000円足らず。




これでどうやって生活しろっつーんだよ。



まぁ、もとからあの女をアテにしてるわけじゃねぇが…。



今月新聞配達だけで保つか?




などとグチをこぼしながらも向かった先は一学年代表委員会室。




月島が必ず1回は顔見せろなどとぬかしやがったもんだから…。



しぶしぶ教室のドアを開けた。







『いいかーリナ!目を閉じて集中しろよー』



「わかってるってば」






机の上に立ってるルゥと向かい合わせで椅子に座っているリナ。





…なんだこの光景。



つっこむべきなのか?






「〝催眠療法〟つーんだって」



「は?催眠療法?」



「中村さんの記憶を取り戻す為に中村さんに催眠をかけてみようってわけ」





はぁ…よくわかんねぇが。



んなことルゥなんかができんのかよ?



アイツ猫だろ、一応。







「つか、いたのか三笠」



「てめー誰と会話してたと思ってんだよ!?いるに決まってんだろ!!」




うるせえな。



いちいち叫ばなくても聞こえてるって。



どっかの教師みてーなやつだな、お前は。




昨日転入してきたばかりだというのにこのチビな三笠というガキは何かと俺に絡んでくる。




迷惑極まりない。

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