Strawberry & Chocolate
No.49 〝六虚兵〟~小梅side

「あの、話を聞く前に私もあなた方に聞きたいことがあります」



「綾小路さんならそう言うと思ったよ。じゃあ順番に整理していこうか。綾小路さん、まずは何が聞きたい?」



「昨日、私たちが戦った、〝彼ら〟、イーヴルたちのことです」



「うん、あいつら…〝六虚兵〟のことね。俺たちにとっても予想外だった。こんなに早く登場してくるなんてね」



「彼らも…イーヴルなんですよね…?」



「そう。綾小路さんたちには説明してなかったけれど、イーヴルは人を襲い喰らうのに比例して進化していってるんだ。どんどんどんどん、俺たち人間のようにね。彼らはその最たるモノたちさ。彼らが下っ端に指令を出してる張本人たちだろう」



「なぜですか?なぜ、彼らはそんなことを?彼らの目的は何なんですか!?」



「それがわかったら苦労しないんだよ綾小路さん。でもまぁ、推測にしかすぎないんだけど、彼らは。きっとイーヴルは人間以上の存在になりたいんじゃないかって考えられてる」



「人間以上の存在…?でも、そんなの、怪物の時点で超えているのでは?」



「言ったろ?推測だって。本当の目的はわからないさ」







長年、〝Hope Lights〟の使い手たちと共に戦っている魔法使いたちでも未だに知ることのできないイーヴルの目的…。










「…それで、あの…月島さんたちは、知っていたんですよね…?〝六虚兵〟リーダー·キリトの、姿が…ソラにそっくりなこと…」



「…いや、それは俺たちも知らなかった。というか、リーダーがいたことすら、知らなかった。昨日までは」







え…?



知らなかった?



だって今までもその、〝六虚兵〟と戦ってきたのに?

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