Strawberry & Chocolate
No.55 最長老~リナside

真中区域。



そこはヴァイズの中心に位置し、各区域の王族の許可がなければ立ち入りを許されない場所。



だから結構神聖な場所なのかなって思ってたんだけど…。







「着いたよ」



「えっ?」








さっきまで、というか、ほんの一瞬前まであたしたち東方区域のお城の庭にいたのに。



気づいたら何か薄暗いとこにいる。



言うなれば小綺麗な洞窟っぽい。



明かり蝋燭だけだし。



この国で一番偉い人だってのにこんな薄気味悪いとこに住んでんのね。



趣味悪っ。





しばらく薄暗い廊下を歩くとピタリと月島先生が足を止めた。







「どしたんですか?」



「ここが最長老たちのいる部屋の入口さ」



「はい?」






いや、入口ってここ廊下のど真ん中ですけど。




文句を言おうと思った瞬間、辺りが歪み、長い髭を生やしたおじいさんが目の前にいた。









「なっ!?なんなのこれー!?」





おじいさんがいたと思ったら廊下が消えちゃうし!!



なんか丸い部屋にいるし!!








「ほうほう。君がリナさんだね。そして隣のちっこいのが楓くん」



「ちっこいは余計だ!!」



「あの、誰…ですか?てか、なんであたしたちの名前知ってんですか?」



「中村さん、楓くん、この方が最長老だよ」



「よ。初めまして。最長老のリュージュアンデクト·キヌ·エスラード·ウィズラインじゃ。よろしくね。キヌじぃって呼んでちょ」






ノリ軽っ!!



つか名前長っ!!



前永さんといい勝負だよ!!

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