Strawberry & Chocolate
No.18 杖~リナside

何がなんだか分からなくて、あたしは無意識に後ろを振り向いた。






そこにいたのは、今まさにあたしにその鋭い爪を喰らわそうと蠢いている真っ暗な怪物の姿。







「…な……に…これ……」



『クソッ!間に合え…!!
“フリマアルマ”!!守れ!
“ガーディー”!!』







ルゥがそう叫ぶのを聞いた。



その瞬間、あたしの目の前に金色の盾が現れた。






ガギンッ!!



その盾が怪物の攻撃を防いでくれた。







あたしはどうすることも出来なくて気がついたらその場にへたり込んでいた。





な、何なのよ!?



このでっかい怪物は!?





怖い…っ!



助けて…!!








『リナ!何やってんだよ!!早く逃げろ!!』





に…逃げるって…!!



そ、そんなの無理に決まってるじゃん!!



怖くて体に力が入らないのに!!





ボロボロとこぼれ落ちる涙があたしの頬を濡らす。








『クソッ!小梅と柳人はまだかよ!?つかここいら担当してるヤツ誰だボケェ!!こんなヘマしやがってー!!』






ルゥの出した盾が怪物からあたしを守ってくれてるみたいだけど、その盾にもどんどんヒビが入っていく…。






パキッ。



パキキ…ッ!





ど、どうしよう…!?



このままじゃあ…!!






パキッピキキ…!!




音と共にひび割れ崩れ落ちていく盾。







『ち…っ!魔力が…限界だっつーの…!こんままじゃ…!!』







パキンッ!!




目の前の盾が割れたのと同時にあたしに爪の刃が飛んでくる。







「いやぁああ!!!」







助けて…っ!!



…ソラ―…ッ!!

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