『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
新道がリン方を向きながら、顎を動かし、雪華にリンを見るように指示した。

雪華と茂がリンの居る方向に顔を向けた。


リンは涙を流して震えながら“滝沢の命を奪ったその銃”で自分の命を絶とうと、自分のこめかみに銃口を押し当てて居た。


その様子を見た雪華は慌てて大声でリンの名前を呼びながら、リンの下へ走り始めた。


雪華『リーン』


自分の名前を呼ばれ、引き金から一瞬指を離したリン。


だが…


新道が雪華に話した。


新道『雪華君、彼の下へ行かせて上げなさい。彼女もそれを“望んで居る”のだから…』

雪華は新道の言葉など、耳に入らず、必死にリンの下へ走って行った。


だが、一瞬離れた指先を再び引き金に戻すリン。


雪華(駄目リン…お願いだから…死なないで…リン)


しかし、リンは引き金を引いてしまう


茂は雪華の後ろから走る雪華の背中とリンを見つめて居た。


茂(くっそ間に合え…)


銃声『バーン』


鳴り響く銃声と共に、倒れるリン。


雪華『リーン』


その光景を目の当たりにした新道は不適な笑みを浮かべて居る。


大声で笑う新道。


新道『わぁっはっはっは〜…』
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