『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
茂の部屋。


自分のパソコンの画面を食い入る様にしてメールを読む茂。


メールの内容〔工藤茂へ。

このメールを君が読んで居る頃は、既に君の周りには、数々の“異変”が起きている頃だろう。


そして君自身にも…


まず、君はこのメールを疑うだろうから、先に言って置くが、このメールに書かれている事は全て事実である。


今、君の持つ“記憶”や君の知る“世界”の事は全て除外して、素直にこのメールを信じて欲しい。


君は今、このメールの内容は“半信半疑”程度にしか思って居ないだろうが、確かに君の周りに異変が起きているのだから、君はこのメールの内容を無視できず読み続けて居る筈だ。


君の事なら何でも知っているさ


何せ俺(このメールの送信者)は今このメールを読んでる“君自身”なんだから


このメールにはいくつかの仕掛けがして有って、一応君が工藤茂かを確かめてから続きのメールを送る事にしたよ。


もし君が本当に工藤茂で、尚且つ続きが知りたければ、このメールの発信元にそのまま“空メール”を送ってくれ。


すぐに返事を返すから。


ただし、もしこれを読んで居る君が“工藤茂”じゃ無ければ、君に俺からの返事は届かないだろう。


それでは君からの空メールを待ってるよ。


送信者:未来を知る過去の工藤茂より。〕


茂[少年]『何なんだよ…このメール…』


茂[少年]『未来を知る過去の俺…何じゃそりゃ』

茂[少年]『けど確かに、こいつの言う通り、いくつかの異変は起きてる…』


茂[少年]『でも、このメールの送信者が“過去の俺”って言うのは有り得ない』


茂[少年]『だって俺はこんなメールを書いた記憶なんて無いし。第一、もしそんな記憶が俺に有ったとしても、昔の俺が今の俺に“まとも”に返事を返せる訳が無い』


茂[少年]『ん…あ』


茂[少年]『そうだ良い方法が有ったぞ空メールじゃなく、文章を送ってやろう』
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