『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
茂は、そんな滝沢に俯きながら謝った。



茂『ゴメン…』


滝沢『なに謝ってるんだよ〜気持ち悪りぃなぁ〜』


滝沢『これは“俺”の為でもあるんだろ』


滝沢『それに…“リンの為”でもあるんだ』


茂『本当にゴメン。』


茂『俺は、君を“死なせる為”に君を作った…』


滝沢『冗談言うなよ』


滝沢『俺は最初っから“生きて無い”んだから』


滝沢『だろ?…』



滝沢が、自分の胸に手を当て、自分の心音を確かめた。



滝沢『やっぱ、いくら調べても動いて無ぇや』


滝沢『まぁ、元々“生きて無い”俺を撃ったって“リン”は人殺しに成らずには済むな』


滝沢『そんだけ“考慮”してくれただけで、俺は満足だ』


滝沢『“サンキュー”な茂』


滝沢『しっかし、良く心臓を動かさずに、俺、動いてられるなぁ』


滝沢『どうやったんだ?』



その滝沢のクローンは、自身の身にこれから起こる事を知って居ながらも、明る過ぎる位に元気だった。



滝沢(俺………死んだら勇さんと同じ場所に行けっかなぁ?)


滝沢(無理か…)


滝沢(俺、元から生きて無ぇし…)


滝沢(勇さん俺…勇さんが俺にしてくれた様に俺にも“護るべき人”が出来たんですよ)


滝沢(俺は確かに“偽物”だけど、勇さんへの“感謝の気持ち”とリンを“思う気持ち”は本物だから…)

滝沢(その為なら俺は、喜んで死ねるよ)




その後1時間、茂と滝沢は色々な事を話し、遂に作戦実行の時が来た。




―1時間後―



103号室。


茂『よし、時間だ』


茂『じゃあ、作戦通り、リンさん達をここに連れて来てくれ』


滝沢『了解隊長』





その後、リン達を部屋まで連れて来た滝沢のクローンと茂はリン達を残し103号室を跡にする。


そして、リン達もまた、茂達の跡を追い、その様子を確認した滝沢もまた、102号室からリン達を追いかけて行った。
< 178 / 207 >

この作品をシェア

pagetop