『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
―103号室―



茂『どうだった?“オリジナル”との初対面は。』


滝沢『あぁ…』


滝沢『実際のところ、まだ実感が沸かないよ…』


滝沢『自分が“クローン”だなんて…』


滝沢『だって…俺には、今まで“滝沢登美也”として生きてきた記憶がある。』

滝沢『俺が勇さんに拾われ、育てて貰った記憶から、隣の102号室に行き、暗い部屋の中で、君に後ろから撃たれた記憶まで“全て”だ…』


滝沢『なのに、暗い部屋で撃たれた筈の俺は、目覚めたら息なり変な機械の中。』


滝沢『しかも、君はそんな俺に息なり“お前は滝沢のクローンだ”なんて言われて…』


茂『………』


滝沢『でも、やっと本当の自分の“存在意義”が分かった気がするよ。』


滝沢『あの“本物の俺”を見て。』


滝沢『分かった気がするよこれから俺が“やるべき事”が』
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