『Memory's Messiah』(ダークファンタジー)
新道[昔]『…』


老人『では君に聞こう!君達人間からして“生きる”とは何だね?それから、“死ぬ”とは何の事だね?簡単で構わないから言って見なさい。』

新道[昔]『生きる?死ぬ?…』


新道[昔]『“簡単に”ですか?…生きるとは、心臓が動き続ける事、死ぬとは心臓が止まる事だと思います。』


老人『うむ、簡単でよろしい』


老人『君達“実体”を持つ者の定義だね、まさに…』

老人『しかし、“ノア”は君達と同じ“人間”でも有るが、それと同時に私達“実体を持たない者”でもある』


老人『私達“実体を持たない者”には“生”と“死”と言う定義が無いんだよ。』


老人『私達には君達の様に自分を産んでくれる“親”も居なければ、死を悲しむ“友”すら居ない…正確に言えば、今自分が生きているのかも、死んでいるのかも分からない、不確定な存在なんじゃよ。』


老人『そして、“ノア”自信も、君達人間とは形は違えど、生きておる』


老人『君達人間の中に有る“DNA”としてね。』


新道[昔]『DNA?…』


老人『そうじゃ、それこそが、私達“実体を持たない者”の唯一の息子、ノアが選んだ道じゃった。』
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