恋色模様
私の目からはさっき以上に涙が溢れた。



“麗、愛してる”



「今さら…遅いよぉ…陽向の口から…聞きたかった」

陽向……出会わなければよかったなんて…嘘。

嘘だよ…。

私あなたに出会えてよかったよ…。

まだあなたが死んでいるなんて信じられないの。

起きてよ…。

昔の…私の大好きな陽向に戻ってよ…。

救急車がやってきて陽向は病院へ運ばれていった。

「麗……」



「恋って…すごくつらいね」



「麗、光輝の時と同じ顔してる。

……どんな事をしたとしても、麗は光輝と同じくらい陽向くんが好きだったんだね……」

「…っ………」

私の目からは一粒涙が落ちた。

「わたし…っ…ちゃんと陽向の事…愛していれたかなぁ?」

私はしゃがみこみ、うつむくいた。

「その人のために泣けるんだから…ちゃんと愛せてたよ」

椎奈はなにも言わず、背中をさすってくれた。
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