メモリー
同時に、
前田の悲鳴に近い叫び声が聞こえる。
「隼人っ!!」
笑の泣き叫んだような声。
それによって、俺は我に返る。
…俺、
キスされてる…??
そうわかった途端、俺は力任せに加藤を押し返した。
『前田!!コレは!!違っ!!
誤解なんだ!!』
誤解されたくなかった。
泣かせたくなかった。
俺は誤解を解こうと、必死に言葉をつなぐ。
だけど、なかなかいい言葉が出てこなくって。
逆に、こんな言葉、聞いたら怪しまれるってぐらい。
とにかく俺はパニクっていた。