メモリー


「失礼しまぁーす」


明るくて、元気のいい、あたしのよく知る声。


その声によって、桜井くんの声は打ち消される。



犯人は…

あたしのかかりつけの看護婦さんの青木さんだった。




「体温計りに来ましたぁ。

…って笑ちゃんじゃない~!?」



あたしを見るなり、満面の笑みを漏らしてくれる青木さん。


そんな青木さんに、あたしは小さく会釈する。



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