REVERSI


ねぇ、


こんなにも人がいるのに、見つける事の出来る事自体がもう特別だ。


後ろ姿で、立ち姿で、分かるなんて、


「僚!」


ああもう、こんなに大声出したのなんていつ振りかな。恥ずかしさとか、無い訳じゃないけど、言ってらんない。



振り返る、僚。


眉を上げて、驚いた顔。


そんな顔、出来るんだ、とか思った。


一穂に紹介された時でさえ涼しい顔してた癖に、


やだ、もう、



ぼやける視界が欝陶しい。



もつれる足を、


力の入らない体を、



ただ、必死に。



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