俺とお前と宇宙たわし


俺は話をもとに戻した。


「…で、たわしとイタリアで出会ったんだろ?」



「あ、ハイ。ワタシ、はっきり言ってビンボウだったんデス。

それが、たわしさんに会った理由でもあるのデスが……」



俺は吹き出しそうになった。

たわしを人扱いしている……



しかし、さっき動いたことを考えると…




まぁ、わからなくもないな。



「ふーん……それってどういう意味?」



早速宇藤が食いついた。



「たわしサンは、とても汚く、ゴミ箱のわきに落ちていたのデス」



そういうことか…



貧乏じゃないと拾わないようなところにあったんだな。



「ふむふむ。…別に、貧乏だからって拾わなくても……」



宇藤がいった。



それ、俺もきになってた。



「ン……ビンボウニンは実用品が落ちていると拾ってしまうのデス。



ダッテ、モッタイナイでしょう?」



YOU-Iの目が変わった。



…エコだな、貧乏人って。


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