先生……
「あはっ。お世辞でも嬉しい!」

「いやいや。お世辞じゃありませんよ。
山本さんはとても魅力的です。
素直なことはいい事ですよ。
でもまぁ、こんな所、君のファンに見られたら誤解されちゃいますね。なんて。」

「先生も冗談言うんですね。
あたし、ファンなんかいないですよ?」

「いやいや。山本さんは男子に人気があるようですよ。
っと、もうこんな時間ですか。
会議に行ってきます。」

「はい。」

『素直』、か。

違うよ、先生。

あたし、全然素直なんかじゃない。

今日だって……。

それにしても、あたしにファン?

生まれて此の方、一度も告白された事も誰かと付き合った事もないあたしに?

いるわけないよ。

先生、あたしに『ファンがいる』って、必要以上に近付くなって事?
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