先生……
第三章

十二月

「寒……。」

白い息が漏れる。

秋は過ぎ、今は十二月。

街はクリスマス一色になっていた。

学校帰りの6時。

辺りは空は既に暮れており、イルミネーションが綺麗に映える。

「冬、だなぁ。」

今更のことを一人呟き、足を進める。

すっかり体は冷えきっていた。

学校から家まで徒歩30分。

残り20分はこの寒さに身をおかなければならない。

途中自販機で温かいココアを買う。

コンビニで買うことも考えたが、暖房のきいた所に入るとなかなか出られない。

早く帰る為にも、選んだのは自動販売機だった。

カイロ代わりにしながら少しずつココアを口にする。

冷えきった体に温かいそれはとても心地よかった。

「はぁ。」

感嘆に近い溜め息は、先程よりも白くはなかった。

2学期もクリスマス・イヴで終わりだなぁ。

後3週間か……。
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