先生……
カチッ

……開いてる。

って事はやっぱり…。

「山本さん?」

「あ、ど、どうぞ。」

「失礼します。」

先生をリビングに通すと、そこには……。

「お母、さん。」

「あ、亜樹。お帰りなさい。
………その方は?」

お母さんは先生を見ると、少し表情を曇らせた。

「えっと……。」

「夜分遅くにすみません。
私、亜樹さんの担任をさせて頂いてます、沖田と申します。」

「あ、学校の先生ですか。
亜樹の……、母です。
ところで、今日は一体どんな御用で…。」

胸がズキズキする。

この場から去りたいって、体が言う。

「本日は亜樹さんのお母様と少し話したいと思いまして、連絡もなしに伺わせて頂きました。」

「話……、ですか?」

「はい。少しばかりお時間よろしいでしょうか。」

「え、えぇ。構いませんが。」

「ありがとうございます。」
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