先生……
「じゃあ、そのお言葉に甘えて。」

「はい。」

「寒いから風邪引かないようにね。」

「あ、はい。先生も…。」

「そうですね。
気を付けます。」

さっき、敬語じゃなかったよね…?

そんな些細なことが、嬉しい。

ドクンッ

「大切な生徒をこれ以上外に出しておくわけにはいかないな。
そろそろ帰ります。
おやすみ、山本さん。」

「おやすみなさい、先生。」

ガチャッ

「亜樹……、良い先生ね。」

「うん。」

「風邪引くといけないから、早くお風呂入りなさいね。」

「うん。入ってくるね。」

シャアアアアアア

まだ、胸の高鳴りが消えない。

久し振りにお母さんと話したから?

それとも……………。
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