=キング of ビースト=
那妃にぴったりのその性格に容姿。
総長達が由莉を認めるのに時間はかからなかった。
下っ端に会う為下を降りて行った由莉が、紅雨に引き止められている時に
「南月が認めるとはね。」
「直也だって分かったんちゃうか?」
「何をかな?」
「姫は、認めざるをえない存在ちゅーことをや。」
「…。」
「入って来たとたんに分かったわ。俺らは姫に仕えなきゃならんなぁってねぇ。」
「そのくせ、俺らが仕える事を拒んでたがな。」
「そやなぁ。過去に捕らわれた気高い猫やなぁ。」
「でも、夜琉さんの認めた女だけはある。」
由莉が夜琉のところに行き、下っ端達と話している光景を後ろで傍観しながらもなお、語り続ける。
「人を惹きつけるようやしなぁ。」
「だぶん、俺らの下っ端達ももう、由莉さんにやられたでしょうね。」
秋が珍しく話に入ってくる。
「せやなぁ。」
「そう言えば、噂の中に、那龍の先代が那妃の為に動いたと、ありましたね。」
「前代未聞やないかい。」
「それ程の人だと言うことでしょう。」