=キング of ビースト=
「夜琉さん変わりましたね。」
翔は優しく微笑んだ。
「あ?」
「何でもないです。」
そう言ってクスッと笑った翔を見て夜琉さんは煙草に火をつけた。
「星の総長は俺がヤる。手出すんじゃねぇぞ。」
そう呟いた夜琉さんの言葉は冷たく憎しみがこもっていた。
煙草を吸い終わって那妃が煎れた珈琲を飲み干した夜琉さんは部屋を出て行った。
おそらく那妃のいる総長部屋に行ったのだろう。
夜琉さんが出て行ったのを見て璃玖さんは真顔で
「夜琉がキレたら止まらない。全力で止めろ。その為に縁狼を呼んだんだ。」
「分かってます。」
いつもの璃玖さんは居なくて、射るような視線を夜琉さんが出て行ったドアに向ける璃玖さんを見て
(やっぱり、那龍の副をしているだけの人だ。)
ということを思い知らされた。