=キング of ビースト=



「ブッ!!!」


突然噴き出した弘樹を怪訝な顔で聖は見つめた。


「ギャハハ!!俺、聖とは良いダチに慣れそうだわ。」


「…。」


爆笑している弘樹も一瞬で無の表情になる。


「那龍幹部弘樹。那龍総長代理で縁鷹総長聖に礼を言う。」


この時の弘樹は『那龍幹部』の名に恥じない堂々たる風格をだだよわせていた。


誰1人として口を開かない、いや開けなかった。


「このたび、我々那龍の加勢に来てくれたことに感謝する。」

弘樹は縁狼、縁鷹全員の顔を見てから言った。


「ありがとう。」


那龍が動くとき必ず、傘下が動く。


その時必ずする那龍からの礼。総長自らすることは決してないが、それなりの地位を持っている人間がする。


この礼をする事によって狼那連合同盟が成り立っているとも言われるほどの儀式なのだ。



< 321 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop