=キング of ビースト=
「弘樹さん…俺達も全力を尽くします。那龍の気持ちに答えられるように。」
淡々と話す聖の表情からは何も読めない。
だが、やはり総長としての質を持っていることは明らかだった。
「フッ、ありがてぇ。今日は18時からだ。抗争終わったら集会だ。帰るんじゃねぇぞ。」
「分かってますよ、ひろ「ひっろきーっ!!!」
聖の言葉を遮って弘樹を呼んだのはもちろん紅雨で。
「ちっ!!!」
舌打ちをしたのも、もちろん弘樹だった。
元気に手をブンブン振りながら走ってくる紅雨を見た縁鷹はあからさまに顔をそらした。
(やっべぇ、可愛い。まじで男?)
(紅雨さんだろ?噂で聞いてたより可愛いな。)
(ああ。)