僕等がみた空の色
「……ねぇ、なんで、手、掴んだの」
収まらない呼吸に舌打ちしたくなる。
語尾を上げずに聞いたもんだから、結城は質問だと思わなかったのか、え、と声をもらす。
あたし、どうしてこんなこと聞くのかな。
どうして、こいつのことこんなに嫌いになったんだっけ。
視界にちらつく雪が体温を奪い、手を震わせる。
寒さでかじかんでいるだけだと、思いたい。
「なんかさ、哀しそうだったから、…つい」
その言葉に顔を上げる。
哀しい?
あたしはこんなにもいらついているのに?
あなたに。
………こんな自分に。