僕等がみた空の色





「……六花ちゃん、」


汐がやっと口を開く。


「あたしじゃ六花ちゃんを救ってあげることができないって分かってた。」



あのときの思いを共有してしまったからこそ、
傍にいればいるほど、傷はえぐられる。



「そんなことない。汐がいてくれたから、あたしは壊れずにすんだよ。」



ギリギリで踏み止まることができたのは汐の存在がつなぎ止めてくれたから。



「あのとき、汐を巻き込むつもりはなかった。」



だから忘れていい。

あたし一人で十分。




「忘れないよ。」



汐を見ると、瞳に強い光を宿して前を見据えていた。



「忘れたくない。…六花ちゃんのためじゃないよ。自分のために。」







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